【金継ぎ】石製 龍御守り
始まりは、ホームページを見たという海外からのメールでした。
ある日、ブルームーンストーンに龍の彫刻がほどこされたペンダント型の御守りが、送られてきました。
それは2つに割れており、身に付けられる状態ではありませんでした。
私のホームページには、石を金継ぎした写真は掲載していなかったのですが、この御守り石が私を選び、持ち主の魂が閃いてくれたからだと感じ、引き受けました。
土台は、強固にするため"蒔地(マキジ)と呼ばれる漆と石の粉を何層にも重ねて、割れや欠けを埋めてできています。
持ち主のところへ帰った龍の御守りは、新たな祈りの形象として胸元で輝いています。
「以前はつるっとしていて無垢な印象の石でしたが、今は古くからの戦友のような石になり、まるで自分の分身のよう。これからもずっと大切にします。」と持ち主からメッセージをいただきました。
石や物は話すことはできないけれど、つくづく、強い意志のようなものがあるのだと深く納得させられました。
金継ぎまえ
天然の接着剤の中では最強と言われる漆で接着したところ。
欠損部分は白漆を重ねて埋めてある。
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