かどや塾-金継ぎWORK SHOP
11月第一日曜日から新たな塾生を迎えて「かどや塾-金継ぎWORK SHOP」が鳥羽大庄屋かどやで継続して始まりました。
会場写真を撮り忘れてしまいました。
そのかわり、今日から金継ぎにとりかかる器についてお話ししていこうと思います。
写真の器は植木鉢。
あらかじめ送られてきた写真を見て、破損部は割れとちがい、窯キズのように思えたのでその旨を伝えて持ち主の意向をきいた。
本来、破損箇所を「修理」するのが金継ぎの目的だから、窯の中で焼成途中に入った窯キズは破損とはとらえなくてもよいものだ。
そう伝えたら、持ち主は「景色」として加飾したいと答えられた。 本阿弥光悦流だね!
金継ぎとは制限された中で存分に楽しむアートだ。お茶の世界やジュエリーの世界とも通じる。
実は想像力は無限に広がって天井なしなのだ。
思考ばかりを強く働かせているから無限の壁は重く閉ざされて開かない。
無限なんてありえないと脳に思わされているんだ。
芸術は全て人と関わっている。
その中でも、直に人と交わって、生活の中で濃密に一体化する姿が、『使う』という行為となっているのだ。
私は、アーティストとして「金継ぎ」も「ジュエリー」も、人間の意識の根底から浮上する『祈りの形象』と信じて制作している。
写真は窯キズの裂け目に漆(色漆)を塗布し、真空技法を使って漆を裂け目の奥へ行き渡らせているところ。
はみ出た漆を取り除き、ムロで乾かす。この作業を何度か繰り返して漆を充填する。途中、地の粉を蒔いてより強固な下地を作る。
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