ボールペンの割れを漆で修理する

このボールペンは20数年前にはるばるエジプトからやってきた!


持ち主はマンガ『天は赤い河のほとり』を読んで古代エジプトに興味を抱いた。その当時使われていた文字ヒエログリフやヒッタイト帝国などさまざまなことをマンガから学んだという。

たいへん苦労してこのボールペンを個人輸入したとても思い入れの深いものだ。
3月から預かってようやく仕上がった。
ペンの地色に合わせて深青緑色で馴染ませるように修理した。割れている状態で使用していたため、ネジのストッパーがきかなくなり筆圧も加わりどんどん裂けていったんだね。一度は修理を断ったけど持ち主の思いを知り、修理する気持ちにスイッチが入った。

副産物ももらった。ペン修理の仕方を研究実験したことで私自身もとても勉強になった!感謝。常に新しいことを感じて。
「毎瞬間が新しい」。クリシュナムルティの言葉が胸に響く。

修理方法

ペンの裂け目を開き気味に固定してから、その隙間に漆を入れていく。専用の道具を作ってこの作業を繰り返し、上面まで盛る。漆は一度に盛ると中が乾かない可能性があるため、薄く数回にわけて盛り上げる。漆の層を作るほうが強度増す。

FIVETREES

ファイブツリーズは三重県の太平洋が美しい伊勢志摩に工房を構えています。金属やべっ甲や漆などさまざまな素材を使用したオリジナルのジュエリー制作と陶磁器を金継ぎで修理そして天然の漆を使って器を中心に修理する金継ぎ塾とワックスを削って細工するジュエリー制作塾を開いています

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