漆を使い切る:余った漆活用その1

この茶色の液体は、漆の木1本からわずか200mlくらいしかとれない貴重な樹液なのです。

それを知った私は余った漆も有効活用できるように事前に塗るものを用意しています。
写真はジュエリーメイキングで使う工具。
工具は鉄製が多い。鉄は錆びやすい。

そこで、私は漆を塗って錆びを防いでいる。
漆には防カビや防錆びの効果があるので、湿度の多い日本では、漆はとても理にかなった天然の塗料なのである。

この素晴らしい素材を特別な用途に限定しておくのはもったいないことだと思う。

木製品に塗り重ねれば重ねるほど強固さを増す漆。
その特徴を活かして家中の柱や階段に漆を摺り込んで居住空間全てが作品、とした漆職人がいる。それを真似て私も工房の一部に漆を塗っている。

あれこれの試行を重ね、漆の使い方を探っていると、改めて漆という自然の産物の優れた価値に深く感銘し、また親しみを感じる。
余った漆をラップに包んだもの。
作品にはこういう荒手のやり方では塗らないけれど、ラップについた漆も使い切りたいから私はじかに摺りつける。
ムロに入れて乾かす。
何回塗ってもいい。塗れば塗るだけ防サビ効果は増すのだから。

FIVETREES

ファイブツリーズは三重県の太平洋が美しい伊勢志摩に工房を構えています。金属やべっ甲や漆などさまざまな素材を使用したオリジナルのジュエリー制作と陶磁器を金継ぎで修理そして天然の漆を使って器を中心に修理する金継ぎ塾とワックスを削って細工するジュエリー制作塾を開いています

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