Re-born ___竹製の蓋物
『Re-born』=復活再生
「掻き子(かきこ)」と呼ばれる漆掻きの職人たちが枝までも絞り出して採取しても1本の漆の木から生涯で取れる樹液量は200グラムを超えない。
「血の一滴」にたとえられている。
だからこそ「Re-born」させるものに漆を使うことに慎重になる。それだけに、ものを大切にしたい心も高まる。
美しく、丈夫によみがえる。
この竹製の蓋物は長い間放置されていた。素材の竹は涸れて涸れて、漆を拭くのに適した状態だった。
本来、竹は油を含んでいるので若い竹には漆が入りにくく、塗布するにはあまり適していない。
油が抜けきったこの蓋物のように涸れたくらいがベスト!なのだ。
油が抜けてスカスカになってしまった竹の毛穴に漆がスッと浸透していく。
漆を塗ると虫も嫌がるので虫食いからも防御できるのも嬉しい。
|修理前と修理方法
クリーニングする
よく乾燥しているので水分は極力与えないようにブラシやガーゼ布、場合によってはメラミンスポンジを使い、経年の汚れを落とす。
クリーニング後
経年の汚れが取れて竹の色が明るく透明感が出てきた。
生漆をすりこむ
ガーゼ布と筆を使って漆を竹に吸い込ませる。その後、全体を丁寧に拭き取る。
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