2021.08.10 23:36女性情報誌『freeK』取材記事「三重の女性情報誌『freeK』(フリーク)」のインタビューを受けました。「freeK」は美のあるライフスタイルをデザインする女性のためのフリーマガジンです。その中の"みえステキWOMAN FILE"に今回インタビューを受けた記事が9月1日号に掲載されます。 「freeK」は三重県全域のイオン系ショッピングセンター、駅での街頭配布、県内の病院や銀行、各種団体等へ配布しています。「freeK」を見か...
2021.07.10 23:55Re-born ___竹製の蓋物『Re-born』=復活再生「掻き子(かきこ)」と呼ばれる漆掻きの職人たちが枝までも絞り出して採取しても1本の漆の木から生涯で取れる樹液量は200グラムを超えない。「血の一滴」にたとえられている。だからこそ「Re-born」させるものに漆を使うことに慎重になる。それだけに、ものを大切にしたい心も高まる。美しく、丈夫によみがえる。この竹製の蓋物は長い間放置されていた。素材の竹は涸れて涸れて、漆を拭く...
2021.06.19 03:50金継ぎ入門WORKSHOP 「鳥羽大庄屋かどや」のクラシックな空間で「金継ぎ」という伝統的な技法を学びます。あっちが傷んでは繕い、こっちが傷んでは繕いと手を加えることで生涯現役を維持できます。日常の暮らしで使う器も、私にとっては文化遺産、歴史遺産。人類がギリシャのパルテノンを守る思いと同じで、規模が「私」か「公」かの違いだけ。心の意識は同じなのです。「エントロピーの法則」:形あるものは、すべて崩壊の方向にむかってゆく。非生命...
2021.06.10 00:51"拭き漆"ワークショップ開催拭き漆ワークショップのチラシができあがりました。木の生活用具は一般的にほとんどが合成塗料であるウレタン塗装されています。ウレタンは食品衛生法が認可した唯一の化学塗料です。しかし、口に入れるものはできれば自然の塗料が良いと私は思います。今はウレタン塗料を使わず、無垢のままや蜜蝋やオイルで仕上げたものも増えました。そういった選択肢のひとつに漆も加えてみませんか。漆の技法の中でも「拭き漆」は現代の生活空...
2021.06.08 00:11中田篤氏作品:長皿金継ぎ「錆漆」仕上げでなおしました。一般的に錆漆は下地を作る時に用いるものという印象ですが、「錆上蒔絵」や「錆絵」と言う技法があります。前者は地盛りするために用いるもの、後者は錆独特の芸術的雅さを心情として錆を用いるもの。「錆絵」は私の好きな江戸時代の小川破笠(はりつ)や明治時代の柴田是真(ぜしん)が応用しています。この器を見て一瞬で金継ぎ仕上げを錆漆でしようと決めました。金継ぎ仕上げ方法はお任せと言わ...
2021.06.05 00:45谷本由子氏作品:花器金継ぎ"あれ、どこをなおしたんでしたっけ?"金継ぎした花器を持ち主が見て、言いました。「共直し」技法*を使った金継ぎに対して、特段のほめ言葉でした。6か月お預かりしていたこともあるでしょうけれど、私の心にうれしく響きました。長期間預かれると、確実に漆をカチコチに固めることができます。*「共直し」:継いだ箇所を可能な限りまわりに馴染ませて、直した箇所をわかりにくくする技法。なおったからといって、器が完全に...
2021.05.16 01:13「陰翳礼讃」「陰翳礼讃」-いんえいらいさん-谷崎潤一郎が思うところを書いた本。何回も読んだり思い出されたり私にとって刺激のある本のひとつです。漆工をするようになり、漆を身近に感じれば感じるほど谷崎の言っていることがよくわかります。漆は日本の美を体現している素材であると言っても過言ではないでしょう。日本の美学は「もののあはれ」、「アシンメトリー」そして「侘び寂び」など、西洋の美学にはみられない価値観で成り立って...
2021.04.05 12:19講演会『金継ぎの世界』新型コロナで開催を延期していた講演会『金継ぎの世界』が開催できることになりました。2021年5月9日(日)/10日(月):午後1時30分〜3時30分会場:鳥羽大庄屋かどや參加費:1200円定員:各15名コロナ禍で人数を把握する必要があるため参加希望の方は事前に「鳥羽大庄屋かどや」または林へご連絡をお願いいたします。連絡先:鳥羽大庄屋かどや 0599-25-8686メール:108kadoya@gma...
2021.03.08 00:58厭離庵講演「金継ぎの世界」終了3月6日土曜日京都「厭離庵」での講演会「金継ぎの世界」無事終了しました。お越しいただきました皆さまに感謝申し上げます。みなさん真剣に耳を傾けてくださり、また興味深い質疑応答も楽しめました。本当に充実した時間を共に過ごせました。第1回目で金継ぎの世界を広く浅く知っていただく良い機会になったかと思います。今回やってみて見えてきたことは絞り込んだテーマについてもっと深く話したいという気持ちになったことで...
2021.02.01 12:03お箸の国にうまれてお店でサラダが出ると常にフォークで食べていました。ある時、ブロッコリーをフォークで刺した感覚と突き刺さったブロッコリーの見た目が怖くてそれからはお箸が用意してあるお店では進んでお箸を使うようになりました。お箸っていいね!万能です。木の無駄遣いと言われたりしたけれど、間伐材を利用しているから大丈夫だとわかってからは安心して使っています。中国北京でも私のいたオリンピック前後くらいから環境に配慮してマイ...
2021.01.12 13:19暮らしの「なごり」は美しいレトロな銅のやかんを修理しました。使い込んだやかんには大小さまざまな暮らしの「名残」がついています。古いものが好きな人はこれをマイナスには取らず、「味」として美しい景色ととらえます。古いものを修理するのは、ただ修理したら良い、使えるようにすれば良いということではないと思います。美意識を持って修理しなければその修理したものは活きてきません。本来、経年変化でついた「味」が全体の調和をみて修理しないとた...